文部科学省と国立教育政策研究所が毎年実施している「全国学力・学習状況調査」では、中学3年生に対して「学校の授業時間以外に、普段(月曜日から金曜日)、1日当たりどれくらいの時間、勉強をしますか」と尋ねています。この時間には、学習塾や家庭教師、インターネットを使った学習の時間も含まれます。
令和8年度(2026年度)調査の公立中学校・全国の集計結果は、次のとおりでした。
| 平日1日あたりの勉強時間(授業以外) | 回答の割合 |
|---|---|
| 3時間以上 | 8.9% |
| 2時間以上、3時間より少ない | 21.2% |
| 1時間以上、2時間より少ない | 31.5% |
| 30分以上、1時間より少ない | 19.5% |
| 30分より少ない | 11.5% |
| 全くしない | 6.9% |
いちばん多いのは「1時間以上2時間未満」で、2時間以上と答えた生徒は合わせて約3割です。一方で、1時間未満(「全くしない」を含む)も合わせると4割近くにのぼります。同じ中学3年生でも、勉強時間にはかなりの幅があることがわかります。
また、文部科学省が令和6年度調査の結果説明資料で、授業時間以外の勉強時間は小・中学生とも令和3年度以降、平日・休日いずれも減少傾向にあると示しています。「周りはもっと勉強しているのでは」と不安になる保護者の方もいると思いますが、まずは全国の実態を知っておくと、お子さんの様子を落ち着いて見やすくなります。
学年別・平日と休日の勉強時間の目安
では、家庭ではどれくらいを目安にすればよいのでしょうか。公的に定められた基準があるわけではないため、以下は一般的によく語られる目安を参考に、当サイトで幅をもたせて整理した一例です。塾の時間を含めるかどうか、部活動の有無、お子さんの体力によっても変わるので、あくまで「話し合いのたたき台」としてご覧ください。
| 学年 | 平日の目安 | 休日の目安 | ひとこと |
|---|---|---|---|
| 小学校高学年 | 40分〜1時間程度 | 1時間〜1時間半程度 | 毎日机に向かう習慣づくりが中心 |
| 中学1年 | 1時間〜1時間半程度 | 1時間半〜2時間程度 | 中学の定期テストに慣れる時期 |
| 中学2年 | 1時間〜2時間程度 | 2時間〜3時間程度 | 部活が忙しくなり、差がつきやすい時期という見方も |
| 中学3年 | 時期によって大きく変わる(下記参照) | 時期によって大きく変わる(下記参照) | 受験に向けて段階的に増やす |
| 高校生 | 2時間程度〜 | 3時間程度〜 | 学校や志望進路による差が大きい |
中学3年生・時期別の過ごし方
中学3年生は、1年の中で勉強の量も中身も大きく変わります。時期ごとの「やること」と「時間の考え方」を整理しておきましょう。
1学期(4〜7月):部活と並行しながら、土台をつくる
多くの中学校で部活動が続いている時期です。平日はまず学校の授業の復習と提出物を確実にこなすことが基本になります。1学期の定期テストや提出物は内申点にも関わるため、受験勉強を先取りするより「今の授業」を大切にしたい時期です。平日は1時間半〜2時間程度がひとつの目安とされます。
夏休み:1・2年の内容をまとめて見直す
部活動を引退し、まとまった時間がとれる最初の時期です。苦手な単元を1・2年生の内容までさかのぼって復習する絶好の機会でもあります。1日の勉強時間は、休日並みかそれ以上を目安にする家庭が多いようですが、最初から長時間を目指すと続きません。「午前に2時間、午後に2時間」のように区切って、生活リズムを崩さないことを優先しましょう。
2学期(9〜12月):定期テストと受験勉強の両立
2学期は定期テストに加えて、模試や進路面談などが重なる時期です。平日は2時間〜3時間程度を目安にする見方もありますが、学校行事で疲れている日もあります。量よりも「その日にやることを決めて終わらせる」ことを重視すると、気持ちの面でも安定しやすくなります。志望校について家族で話し合う機会も増える時期です。
冬休み:入試形式の問題に慣れる
過去問など、入試と同じ形式の問題に取り組み始める時期です。時間を計って解く練習をすることで、時間配分の感覚がつかめてきます。年末年始は家族の予定もあるため、「この日は休む」と先に決めておくと、休むことへの罪悪感も減らせます。
直前期(1月〜入試):新しいことより、確実に取れる力を固める
この時期は、新しい問題集に手を広げるより、これまで間違えた問題の解き直しが中心になります。また、入試本番の時間帯に頭が働くよう、朝型の生活に整えていくことも大切です。勉強時間を増やしたい気持ちから睡眠を削りがちですが、体調を崩しては元も子もありません。保護者の方は、食事や睡眠の面から支えることが、何よりの応援になります。
数字にしばられすぎないために ― 「時間より中身」の視点
ここまで目安の時間を紹介してきましたが、同じ2時間でも、中身によって成果は大きく変わります。たとえば、ノートをきれいに写すことに時間の大半を使っているケースと、間違えた問題を解き直しているケースでは、同じ時間でも身につく量がちがいます。
お子さんの勉強の様子を見るときは、「何時間やったか」に加えて、次のような点にも目を向けてみてください。
- 今日、何を勉強したかを本人が説明できるか
- わからなかったところをそのままにしていないか
- 同じ問題を、日をおいてもう一度解いているか
勉強時間が目安に届かない日があっても、それだけで心配しすぎる必要はありません。逆に、長く机に向かっていても内容がともなっていない場合もあります。時間はあくまで目安のひとつとして、お子さんと「どんな勉強をしたか」を話す材料にしていただければと思います。
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