夕方5時、部活を終えて家に帰る。カバンを置いて、ソファでスマホを開く。友だちのメッセージに返信して、動画を1本だけ見るつもりが2本、3本。ごはんを食べて、お風呂に入って、気づけば夜の10時。「今日も勉強できなかった」と思いながら、ふとんに入る――。
こんな一日に、心当たりはありませんか。これは意志が弱いからではなく、「いつ・どこで・何から始めるか」が決まっていないことが大きな理由のひとつです。この記事では、家庭学習を習慣にするための小さな工夫を、ステップごとに紹介します。生徒のみなさんと保護者の方、どちらにも読んでいただける内容にしました。
ステップ1:始める「時間」を決める
「時間があるときにやろう」と思っていると、時間はなかなか見つかりません。まずは始める時刻を決めましょう。ポイントは、時計の時刻だけでなく「〇〇したら始める」という合図で決めることです。
たとえば「夕食を食べ終わったら」「お風呂から出たら」のように、毎日必ずある行動に結びつけると、思い出しやすくなります。部活のある日とない日で、別の合図を決めておくのもよい方法です。
保護者の方へ:時間は、できるだけ本人に決めてもらうのがおすすめです。保護者が決めた時間より、自分で決めた時間のほうが守ろうという気持ちになりやすいものです。
ステップ2:勉強する「場所」を決める
「ここに座ったら勉強する」という場所があると、体が自然と勉強モードに切りかわりやすくなります。自分の部屋の机でも、リビングのテーブルでもかまいません。大事なのは、その場所でダラダラしないことです。
机の上には、今からやる教科のものだけを置きましょう。マンガやゲーム機が目に入る場所だと、どうしても気が散ります。自分の部屋だと集中できない人は、家族の気配があるリビングのほうが進む、というケースもあります。
保護者の方へ:リビングで勉強する場合、テレビの音や会話が気になることもあります。その時間だけ音量を下げるなど、家族で少し協力できると助かります。
ステップ3:「最初の5分」にやることを決める
勉強でいちばんエネルギーを使うのは、じつは「始めるとき」です。だからこそ、最初の5分でやることを前もって決めておきます。おすすめは、簡単で、すぐ終わることです。
- 英単語を5個だけ確認する
- 計算問題を3問だけ解く
- 今日の授業ノートを1ページ見返す
「5分だけ」と思って始めると、意外とそのまま続けられることがあります。もし5分でやめてしまっても、その日はゼロではありません。「毎日少しでも机に向かった」という積み重ねが、習慣の土台になります。
前の日の終わりに、次の日の最初にやる問題集のページを開いておく、という工夫もあります。机に座った瞬間に、何をするかがすぐわかります。
ステップ4:スマホとの付き合い方を決める
勉強中にスマホの通知が鳴ると、つい手がのびてしまいます。一度見ると、集中を取りもどすのには時間がかかります。スマホを完全にやめる必要はありませんが、勉強中のルールを決めておきましょう。
- 物理的に離す:勉強中は別の部屋や、手の届かない場所に置く
- 通知を切る:おやすみモードや集中モードなど、端末の機能を使う
- 「ごほうび」にする:決めた勉強が終わったら見る、という順番にする
- 友だちに伝えておく:「この時間は返信が遅くなる」と言っておくと気が楽になる
学習アプリやタイマーとしてスマホを使う場合は、勉強に使うアプリだけを開くと決めておくとよいでしょう。
保護者の方へ:スマホのルールは、一方的に決めるより、親子で話し合って決めたほうが守られやすい傾向があります。保護者の方も同じ時間はスマホを控えるなど、「家族のルール」にするのもひとつの方法です。
ステップ5:終わったら、小さく記録する
勉強が終わったら、カレンダーや手帳に印をつけてみましょう。〇をつけるだけでも十分です。印が続いていくと、それ自体が「続けたい」という気持ちにつながります。何をやったかを一行メモしておくと、テスト前のふり返りにも役立ちます。
保護者の方へ:記録を見て「これだけ?」と言いたくなっても、まずは続いていることを認めてあげてください。習慣づくりの段階では、量よりも「毎日続いていること」のほうが大切です。
続かなかった日のために
どんなに工夫しても、できない日はあります。部活でくたくたの日、体調がよくない日、気持ちが落ちこんでいる日。そんな日は、無理をしなくて大丈夫です。
大切なのは、1日できなかったことを理由に「もうだめだ」とやめてしまわないことです。習慣は、途切れたあとにまた再開できるかどうかで決まります。次の日に「最初の5分」だけでも取りもどせれば、それで十分です。
ここで紹介した5つのステップも、全部を一度に始める必要はありません。生徒のみなさんは、まずひとつ、やれそうなものから試してみてください。保護者の方は、うまくいった日にひとこと声をかけるだけでも、大きな応援になります。
※本記事を掲載している「塾サーチ!」は、豊中市内で学習塾を運営する会社によるサイトです。紹介した工夫は一般的な考え方であり、特定の塾の方針ではありません。