「授業のスピードが速く、気づいたら数学がわからなくなっていた」「学校独自のプリントやテキストが中心で、市販の問題集と内容がかみ合わない」「高校受験がないぶん、勉強に身が入らない時期が続いている」――。中高一貫校に通うお子さんの学習では、公立中学校とは少し違った悩みが出てきます。
関西には私立の中高一貫校が多く、北摂から電車で通学しているお子さんも珍しくありません。ところが、地域の塾の多くは公立中学校の教科書や定期テストの日程を前提にカリキュラムを組んでいます。そのため「近いから」「評判がいいから」という理由だけで選ぶと、学校の進度と塾の授業がずれてしまうことがあります。
この記事では、一貫校生によくある悩みを入り口にして、それぞれにどんな塾・指導が合いやすいかを対応させて考えます。お子さんの状況にいちばん近い悩みから読んでみてください。
悩み1:授業の進度が速く、ついていけなくなった
一貫校では高校受験がないぶん、中学の内容を早めに終えて高校の範囲に進む「先取り」型のカリキュラムを組む学校があります。ひとつの単元にかける時間が短くなるため、一度つまずくとそのまま次の単元に進んでしまい、わからない部分が積み重なりやすくなります。
合いやすいのは:お子さんの理解度に合わせて、必要なところまでさかのぼって教えてくれる指導です。個別指導や、一貫校生向けに学校別・進度別のクラスを設けている塾が候補になります。集団塾の場合は、学校の進度と授業内容が合っているかを必ず確認しましょう。
- どの単元からつまずいているかを、テストやノートを見て判断してくれるか
- 「戻る学習」と「学校の今の単元」を、どう並行させるか説明があるか
悩み2:独自教材・独自テストで、市販の対策がかみ合わない
一貫校では、検定教科書とは別に学校独自のテキストやプリントを使ったり、定期テストの出題範囲や形式が学校ごとに大きく違ったりします。一般的な「中1・中2の定期テスト対策」のプリントでは範囲がずれる、ということも起こります。
合いやすいのは:学校で配られた教材や範囲表を持ち込み、それに沿って授業や課題を組み立ててくれる塾です。個別指導はこの対応がしやすい形式ですが、集団塾でも一貫校の生徒を多く受け入れているところでは、学校ごとの対策を用意している場合があります。
- 学校のテキスト・問題集を使った授業ができるか
- お子さんの学校のテスト時期に合わせて、対策の日程を組めるか
悩み3:高校受験がなく、中だるみしている
公立中学校の生徒が受験に向けて勉強量を増やしていく中2〜中3の時期に、一貫校生は大きな節目がありません。部活動や学校行事が忙しくなることもあり、「宿題はこなしているけれど、それ以上はしない」状態が続きやすい時期です。
合いやすいのは:学習の目標や計画を一緒に立て、定期的に振り返る仕組みがある塾です。面談で目標を確認する、自習室で勉強する習慣をつくる、模試を定期的に受けて現在地を確かめる、といったサポートが役立ちます。同じ立場の一貫校生が集まるクラスでは、周りの様子が刺激になるお子さんもいます。
- 授業以外に、学習計画や目標設定の面談があるか
- 自習室が使えるか、使い方のルールはどうなっているか
悩み4:数学や英語など、特定の教科だけ大きく遅れている
学校や学年によっては、ある教科だけ進度がとくに速かったり、教え方との相性が合わなかったりして、他の教科は学校の授業で十分なのに1〜2教科だけが苦しい、というケースもあります。
合いやすいのは:教科を絞って受講できる塾です。全教科のパックではなく、必要な教科だけを選べるか、途中で教科を増やしたり減らしたりできるかを確認しておくと、費用面でも無理がありません。
悩み5:大学受験を見すえて、早めに準備を始めたい
一貫校を選んだ理由のひとつが大学進学、というご家庭も多いでしょう。中学生のうちから大学受験を意識した塾を検討する場合は、高校範囲の指導や大学受験の情報提供ができるかがポイントになります。
一方で、中学生の段階では、学校の授業をきちんと理解して定期テストで点を取ることが、その後の土台になるという考え方もあります。「大学受験向けの先の内容」と「今の学校の勉強」のどちらを優先するかは、お子さんの現状を見て塾とよく相談してください。
悩みと塾選びの対応を一覧で
| 悩み | 合いやすい指導 | 面談で聞いておきたいこと |
|---|---|---|
| 進度が速い | さかのぼって教えられる指導、進度別クラス | どこまで戻るか、どう並行させるか |
| 独自教材・独自テスト | 学校教材を持ち込める授業 | 学校のテスト日程に合わせられるか |
| 中だるみ | 目標設定・学習管理のサポート | 面談の頻度、自習室の有無 |
| 特定教科の遅れ | 教科を選べる受講形態 | 教科の追加・変更のしやすさ |
| 大学受験の準備 | 高校範囲・大学受験情報に対応 | 中学の勉強とのバランスの考え方 |
一貫校生ならではの、見落としやすい確認ポイント
指導内容のほかに、通学や学校生活の事情から確認しておきたい点もあります。
- 塾の場所:通学時間が長い場合、自宅の近くがよいのか、学校や乗り換え駅の近くがよいのか。帰宅時間も含めて考えます。オンライン指導を選べる塾もあります。
- 季節講習の日程:一貫校は長期休みの時期や補習の日程が公立中と違うことがあります。講習が学校の行事や補習と重ならないか確認しましょう。
- 課題の量:学校の宿題が多い場合、塾の課題が重なると消化しきれなくなります。量の調整に応じてもらえるかを聞いておくと安心です。
- 内部進学の条件:高校へ内部進学する際の成績の基準などは学校ごとに異なります。塾任せにせず、学校からの案内で確認しておきましょう。
相談に行くときは「学校の資料」を持って
一貫校生の塾選びでは、塾のカリキュラムの良し悪しより、「お子さんの学校の進め方に合わせられるか」が大切になります。体験授業や面談に行くときは、学校の教科書・問題集、定期テストの答案や範囲表、成績表などを持参すると、具体的な提案を受けやすくなります。いくつかの塾で同じ資料を見せて、提案の違いを比べてみるのもひとつの方法です。
※塾サーチ!は、豊中市で学習塾を運営している会社が運営しています。記事内では特定の塾をおすすめすることは控えています。