結論から言うと、大阪府の公立高校の一般入学者選抜では、音楽・美術・保健体育・技術家庭の実技4教科も、内申点(調査書の評定)の計算では国語や数学と同じ「1教科」です。9教科のうち4教科が実技教科なので、調査書の点数のおよそ半分近くを実技4教科が占めることになります。
この記事では、まず大阪府教育委員会の公表資料で確認できる内容を整理し、そのうえで教科ごとの対策を「ペーパーテスト」と「実技・作品・提出物」に分けて紹介します。
大阪府の資料で確認できること
大阪府教育委員会「令和9年度 大阪府公立高等学校入学者選抜の方法(一般入学者選抜・全日制の課程)」では、調査書の評定について次のように定められています。
- 対象は9教科(国語、社会、数学、理科、音楽、美術、保健体育、技術・家庭、英語)。
- 各教科50点で、「3年の評定×6+2年の評定×2+1年の評定×2」で計算する。
- 9教科の合計は450点満点。
- 学力検査の成績と調査書の評定の比率は、高校ごとにタイプⅠ〜Ⅴ(7:3〜3:7)から決められている。
| 学年 | 1教科あたりの計算 | 実技4教科の合計(満点) |
|---|---|---|
| 中1 | 評定(5段階)×2 | 40点 |
| 中2 | 評定(5段階)×2 | 40点 |
| 中3 | 評定(5段階)×6 | 120点 |
| 合計 | 50点満点 | 200点(450点中) |
中3の比重が大きいのは確かですが、中1・中2の評定も計算に入る点は見落とさないようにしましょう。
なお、同じ令和9年度でも特別入学者選抜(面接を行う学科など)では、9教科各25点(3年×3+2年×1+1年×1)と計算方法が異なります。また、大阪府教育委員会は令和10年度入学者選抜から制度を変更すると公表しており、同委員会のリーフレット「令和10年度以降の公立高等学校入学者選抜」では、一般選抜(全日制)の評定を1・2年は9教科×5段階×2倍、3年は9教科×5段階×6倍の合計450点満点で算出すること、調査書に記載する項目を各教科の評定のみとすることなどが示されています。
制度は年度によって変わることがあります。受験する年度の扱いは、必ず大阪府教育委員会の最新の選抜要項・選抜の方法で確認してください。
評定は「テストの点数」だけで決まるわけではない
中学校の評定は、「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3つの観点をもとに決められます(文部科学省の学習評価の考え方による)。実技教科では、ペーパーテストに加えて、実技、作品、ワークシートやレポートなどが評価の材料になることが多いです。具体的な評価方法は学校や先生によって異なるので、授業の最初に配られる評価の説明や、先生の話をよく確認しておきましょう。
音楽
ペーパーテスト対策:教科書で扱った曲の作曲者・時代・曲の特徴、楽譜の記号(強弱記号や速度記号など)、楽器の名前と分類がよく出ます。授業で鑑賞した曲は、プリントに書いた感想と一緒に見直しておくと、記述問題にも対応しやすくなります。
実技・提出物:歌唱やリコーダーなどの実技テストは、何度か通して練習しておくだけでも落ち着いて取り組めます。鑑賞の感想文では「よかった」で終わらせず、「どの部分の、どんな音の変化からそう感じたか」を書くようにしましょう。
美術
ペーパーテスト対策:色の三原色や補色、明度・彩度などの用語、遠近法、教科書に載っている作品と作者が出題されやすい分野です。用語は、授業で描いた自分の作品の中でどう使ったかと結びつけると覚えやすくなります。
作品・提出物:絵の上手・下手だけで評価が決まるとは限りません。締め切りを守ること、制作の意図やくふうをワークシートにきちんと書くことが大切です。作品が間に合いそうにないときは、早めに先生に相談しましょう。
保健体育
ペーパーテスト対策:保健分野(体の発達、心の健康、けがの防止、病気の予防など)と、体育分野の各種目のルールや技術のポイントが出題されます。保健は教科書の太字の用語を中心に、「なぜそうするのか」まで説明できるようにしておきましょう。
実技・提出物:運動が得意でない人も、あきらめる必要はありません。準備や片付けへの参加、学習カードへの記録、自分の課題と改善点を言葉にすることなど、取り組みの過程も大切にしましょう。体調やけがで見学するときも、見学レポートを丁寧に書くことができます。
技術・家庭
ペーパーテスト対策:技術分野は工具の名前と使い方、材料の性質、電気回路やプログラミングの基礎など。家庭分野は栄養素と食品の分類、衣服の手入れ、消費生活などが中心です。図や表で覚える内容が多いので、教科書の図を自分で描き写すと記憶に残ります。
実習・作品・提出物:木工や調理、裁縫などの実習では、手順を守って安全に作業することが基本です。完成品だけでなく、設計図や実習の記録、振り返りシートも提出物として見られることが多いので、書きもらしがないようにしましょう。
保護者の方へ
- 実技教科の定期テストは、5教科に比べて対策の時間が短くなりがちです。テスト計画に実技教科の時間が入っているか、一緒に確認してみてください。
- 作品や提出物の締め切りは、5教科の宿題より見えにくいことがあります。予定表に書き込む習慣をつけるとよいでしょう。
「副教科」ではなく、同じ1教科として
実技4教科は「副教科」と呼ばれることもありますが、大阪府の一般入学者選抜では5教科と同じ重みで評定が計算されます。ペーパーテストは用語と理由をセットで覚え、実技や提出物は締め切りと記録を大切にする。この2点を中1から積み重ねていきましょう。
※本記事の制度に関する記述は、大阪府教育委員会が公表している令和9年度入学者選抜の「選抜の方法」および令和10年度以降の入学者選抜に関するリーフレットにもとづいています(2026年10月時点)。当サイトは豊中市で学習塾を運営する会社が運営しています。